Jan 19, 2023

3つ目の石

 ある山道で石3つがありました。1つ目は山のてっぺんが欠けて落ちた、スゴクずっしりした、土台に適したものでした。表面は太陽に輝く大理石でした。

2つ目は川を下って、急な角を曲がれなくて、木の底で休んでいました。何もしていないのに、美しく輝いていたのは、金だったからです。

3つ目の石?地震の時に、地面がシャックリをしたかなのように、奥底からヒョイと飛び出てきた、泥まみれの石ころちゃん。

「君、ボクが冬眠から出てきた時そっくり」と、近くの亀が土をキレイに拭きとり始めました。

「ボクのフンのかたまりと、その石は似ているけど、しんせきかな?」近くの虫たちは、みんなクスクス笑った。



その時、博士のカラスさんが飛んできてポカンと口を開けた。きれいになった石をじっと見ている。

「えっ?こ、こいつはダイヤの原石だったんだ!」

人間は「ダイヤモンド」の音を知っている。虫は、特にフンコロガシは、知らない。

残念そうにカラスの博士に聞いた。「ボクのフンのかたまりの親戚じゃないと、言うこと?」

おしまい