「ハイジの物語のペーターのように、アロンゾという男性が、毎朝ヤギたちを集めて、山の高い所に連れて行っていた。そこの野草を食べさせるアルバイトをしていた。
だけど、一つの小屋の窓から、いつも女の子の声が聞こえてきた。
「空が見たい。花が、川が、木が、草が。あ~」かわいそうに。病気なのかな。外に出られないのか。声は、まだ小さい女の子だと、アロンゾは思った。よし。
その日、アロンゾは、ヤギの番をしながら、きれいな花をつんだ。病気で外に出られないんだったら、花をあの子の所に持っていけばいいじゃないか。アロンゾは、一番キレイな花がどこに咲いているか知っていたから、一生懸命それを集めた。
夕方になると、口笛を吹きながら、アロンゾは山道を下りて行った。気が付いた。どうやって花を渡すか、考えていなかった。窓の周りの台に腕いっぱいの花の宝物を置いて、走って、家に帰った。
次の朝、アロンゾは靴底が地面を感じないぐらい仕事に走って行った。どう思ってくれたかな?
花は大きいマグカップに生けられていた。そして、窓のヨコには手作りのキャラメルが2コ置いてあった!やったー!
アロンゾはニコニコニコニコ。今度は秘密の川に行って、あの子に見せるための石を選んだ。ここの石は数百年も水に磨かれてオパールのように輝くものもあった。神秘的に混ざるデザイン・ミルキーな色に彼女は魅了されるに違いないと、アロンゾは思った。そう思うアロンゾの時間は、あっという間に過ぎていくようだった。また夕方に、アロンゾは、きれいに拭いた川の宝石を窓の外に置いて走って帰った。そして、やっぱり、翌日、「あのコップ」の周りを飾っていて・・・手作りキャラメルがあと2コ置いてあった!
もうあの子は、親友だよね。だったら、見せようッと、アロンゾは決めた。その日は、ヤギたちを特別な峠に連れていった。ここに生えているコケは、金に光って見える。アロンゾは、平ったい石を見つけた。その日の夕方、気を付けて、台の上にこの金の石を置いて帰った。
次の日がアロンゾのバイト代をもらいに各山小屋に行く日だった。アロンゾは、玄関に行く途中、あの窓をチラッと見た。あの石がコップの下に置かれて、金の台に花が生けられているように見えた。宝石のように光る石が流れるように、コップの周りから窓の台まできれいに飾られていた。2か所だけあいていた。そこには・・・手作りキャラメルが置かれていたから!
アロンゾは笑みを隠せなかった。「おじいさん、今月のバイト代、いらないよ。代わりに欲しいものがあるんだ。とりかご。」
「トリカゴ?」
「そう。とりかご。凄いキレイなものじゃなくてもいいよ。板でも、枝でもいいよ。ひもとかワイヤーで縛り合わせたものでも。ペンキ塗らなくていいし。」アロンゾは一生懸命話して、おじいさんは、益々わからないような顔をしていた。
「実はね、今度したいのは・・・」そして、周りを見て小さな声で話し続けた。「かわいい鳥を取ってプレゼントしたいけれど、窓の台に鳥をオケナイよね。おじいさん、何かシンプルなカゴを作ってもらえないかな?」「そういうことか。なんでもっと早くそういわなかったのかい?」おじいさんは、すぐ物置に行ってコンコンギーコギーコしたとおもったら、簡単なトリカゴを作って帰ってきた。
「鳥の座るところもあるし、餌・水の皿もあるし、ホラ、ドア、ひも、キレイじゃないけれど、これでいいかな?」
すごい・・・おじいさん、ありがとう。
カゴを作るために、おじいさんは1時間もかからなかったけれど、アロンゾは数週間後でも、鳥は全然捕れそうもなかった。アロンゾは、「かわいい鳥」をあきらめて、もっとゆっくり飛ぶ、地味な鳥を捕ることにした。見た目は、大した鳥ではないけれど、歌声は森一番だと思うと、アロンゾは自分を慰めるように、言った。女の子があまりがっかりしないように、光る石・きれいな花・金のコケでカゴを飾って、自分を怒るかのように、それをそっと窓の台に置いて、家に帰った。
翌日、これからは手作りキャラメルは、もうないかなと、思っていたところ、アロンゾは、ハッとした。窓は開いていて、女の子がそこに立っていた!恥ずかしくて、アロンゾはすぐ木の後ろに隠れた。
「アロンゾ!そこにいるの?こっちに来て!」ええっ?!だけど、アロンゾは木の後ろから出て、しょうがなく窓の方に行った。だけど、見ると、女の子は、指の間を広げて、両手を前に伸ばしている。?と、いうことは・・・
目が見えない?!
「アロンゾのプレゼントは、今までもらった物の中で、いちばんステキ、どうやっておもいついたの?」アロンゾは窓まで来て、女の子は顔をさわっていた。「あら、なんで泣いているの?」
「うれし涙と聞いたことないの?」とアロンゾは必死に返事した。「ぼくのプレゼントを気に入ってくれたから、嬉しいのさ。」
アロンゾが色のブーケとして送った花を、女の子は、野の香水が送られたと思った。アロンゾが彼女をピカピカの宝石で感心させようと思っていたけれど、女の子は、石の滑らかの感覚・面白い形を指先で何時間も何時間もインジョイした。アロンゾにはコケの金が価値ある秘密と思っていたけれど、女の子はフサフサのコケを自分の頬に充てて楽しんだ。アロンゾの一番がっかりした贈り物:捕れなかった「かわいい鳥」は歌う鳥ではなかった。最後にトリカゴに入った鳥は、女の子に喜びをいっぱい運んでくれた。
その日のハイライトは、女の子がおじいさんに言ったこのことばだった:
「医者が新しい手術を試してみたい、私が見えるようになると思うと、先月言った時に、私、断ったの。それが失敗して、がっかりするのが怖かったから。だけど、気がかわった。少しでもおじいさん・アロンゾが見られるかもしれないんだったら、試してみたいの。」
今度ふたりが泣いたとき、本当にうれし涙だったんじゃないかな。